セクシーゾーン『ザ・ハイライト』

Sexy Zoneが2年4か月ぶりに出したオリジナルアルバム『ザ・ハイライト』。リリースが発表されたときから楽しみでどうにかなりそうだったけど、全曲聴いた今も最高でどうにかなりそう。公式サイトで音源の試聴が解禁された段階でベッドから落っこちて膝すりむくぐらいにはツボってたのに、余裕でその期待を超えて来て大好きだった。

アルバムが出るって第一報が出たとき、「シティポップ」がコンセプトに含まれてるのを見てテンションが上がると同時に、歴史化の作業がある程度終わった「シティポップ」について「どの文脈*1に則ってくるんだろ?」と思ったり「今さらシティポップ?」*2ってのも正直あったりしたんだけど、あのねえ、完敗です。

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ビジュアルこそ「シティポップ」を参照しているものの、楽曲はポプステ同様バラエティ豊かな楽曲を取り揃えていて、何がいいかって「J-POP」を軸に置いてるのが伺えるところ。新しさも懐かしさもあってジャンルもいろいろで、アルバム通して聴くと「J-POP」に着地してるっぽいのがちょーーいい。日本の音楽のこれまでの積み重ねや文脈を無視せずに新しさも懐かしさも自分たちのモノにしてる、というか。ジャニーズによるレトロの闇鍋J-POP仕上げって感じ。

いい具合に言語化できないからちゃんとしたライターさんがちゃんとした日本語で書いた記事貼っときます。シンプルにめっちゃいい。ラジオでアルバムの話したときの勝利くんぐらい語彙力ないけど許して。

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それと、セクゾはコーラスがきれいなんだなあって改めて思ったアルバムでもあった。声が重なったときにすーっと馴染んで、マイナー調のほんのり物哀しくてやわらかい歌声になるの、聴いてて惚れ惚れする。そんでもって松島の聡ちゃん!おかえり!セクゾのこと何も知らずに行った5TAGEで聴いた聡ちゃんの透き通った声で深みにはまったところがあるので、聡ちゃんがいろんな曲をたくさん歌うのを聴けてとってもうれしい。

久しぶりにメモとりながらCD聴くなんてことをしてそれはそれは楽しかったので、感想の羅列を残しておきます。

1. Forever Gold

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イントロから最後までずっとわくわくした気持ちとハッピーな音に包まれて、キラキラした情景が浮かぶ感じに「聴いたことないけどなんかめっちゃSexy Zoneだ!」となった曲。光のエアロビ。ボーカルにリバーブがかかっている感じとかシンセドラム(って言うのかな)の音色とかに、思ってたよりもがっつり80s再現してる!?とびっくりした。こないだiKONが出してたBUT YOUも光のエアロビだったけど(?)、Forever Goldのほうがテンポゆったりめで質感もちょっとやわらかい。

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あんまり歌詞聴かないタイプだけど「ダサいなりに本気だった」って良い歌詞だ。

2. Desideria

ベッドから落ちて膝すりむいた原因。ありがとう。大好き。ここ数年のV6がやってたおしゃれかっこよハウス路線もしかしてセクゾが継ぐ…?と思いながら聴いてた。(継ぐとかいう概念があるのか分からないけど……)

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f(x)のRude Loveみたいな(すぐK-POP引っ張って来ちゃうの申し訳ない)畳みかけるキーボードの感じシンプルにめっちゃ好きだし、サビの後半に入るホーンの音もちょー気持ち良い。

open.spotify.com個人的に一番テンション上がったのが1:50あたりから入る控えめながらも邪悪な感じのベース。3:00からのブリッジでも軽やかなピアノの背後に深めのベースちらついてて最高。ミーハーだから3:27で一瞬音割れっぽい耳障りな音(?)いたのも大好きでキャー!ってなっちゃった。ライブでもエアでキャー!ってなっちゃうと思う。~感染対策~

何回かアルバム全体で通して聴いてると、Desideriaってアップテンポなハウスナンバーではあるものの、次のTHE FINESTに違和感なくつながる程度には全体的なトーンが低くてそれもめっちゃ天才。セクゾの声質もあるのかもしれないけどほんと天才。もっとちゃんとした音楽用語とかで感想言えるようになりたい。

3. THE FINEST(Nulbarich - JQ)

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ラジオで初解禁されたときお風呂で思わずにこにこしちゃったかっちょいいディスコファンク。セクゾってこういうグルーヴィーな曲が似合う印象があるんだけどなんでだろ。わたしがLET'S MUSIC好きすぎるからかもしれない。

2番の最初で「踊って見せて 世界中が夢中 まるでmovie star」と歌う風磨くん、今までに聴いたことない歌い方をしていてまた驚く。『ザ・ハイライト』、ほんとにびっくりするくらいみんな知らない歌い方をしてるもんだから「風磨くんだと思ってたらそのあとに本物の風磨くんが歌い始めて「今のケンティーだったの!?」ってなる」みたいな場面が多いのなんの。「君はいつもtop billing」のケンティーも知らない歌い方してたな。

4. 夏のハイドレンジア(秦基博

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タイアップ曲はドラマやCMの印象が刻まれがちだけど、「夏のハイドレンジア」は今回のアルバムと共通のコンセプトとして「夏」を持ってるからそこまで浮かないかも?と思ってはいたものの、予想してたよりもほんとに全然浮いてない。THE FINESTのあとに置かれてることでむしろ曲の透明感が際立つ感じすらあった。アルバムってこういうことなんだと。君なんだと。(ノラッゴ)

5. Iris

レコードの針を落とすところから始まるキャッチーでオールドスクールっぽい日本のヒップホップ。日本のヒップホップそんなにちゃんと順を追って聴いてないからキャッチーでオールドスクールっぽい日本のヒップホップってなんだ?って自分でもなってるけどたぶん聴いたら分かる。

日本のヒップホップでキャッチーなのを知らなさすぎるのでとりあえず人間発電所持ってきた。意外とテンポもリズムも近い。これがオールドスクールってやつ? ちなみにマリウスのラップがセクゾでいちばん好きだったりする。(NOT FOUNDのカップリングSugar Stepで聴けます)

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6. SUMMER FEVER

いやセクゾはフェスに来いよ!!!なんで8月20日21日にコンサートやってんの!!!!!

ってキレちゃうやつ。KYGOとかそのへんが無双してた頃にみんな聴いてたトロピカルハウスっぽいあれ。

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こんな音楽知らないぞ!っていう興奮はない代わりに「いや好きは好きに決まってるんよな……」ってメモにも書いててそれはそうなんだよね……。こんなのどこに持ってきても絶対ブチ上がっちゃう……。サビの後ろでくるりんってしながら昇っていく魔法みたいなきらきらした音もめっちゃかわいくて好き。

7. Story

「よく分からないけどなんか2000年代のJ-POPっぽさがすごい」。って話をジャニーズに詳しいTwitterのフォロワーさんにしたら「作詞作曲をしたyouth caseがまさにJ-POPを作って来たような人だから、逆にその感想を抱くのがおもしろい」って言っててめっちゃ興味深かった。ボブ・ディランの曲聴いてロックですねって言うみたいなもんなのかな。

セクゾが得意なバラードって印象もあるし、コンサートの終わりの方でやってる情景もめっちゃ浮かぶ。ギターをポロロンってゆっくり鳴らしてじんわり終わるのも絶対誰かのコンサートで聴いたことある「いかにもそれっぽい」終わり方で懐かしい。あと1曲がどんどん短くなっていくこのご時世に平気で5分超えてるのが単純にすごい。

8. Eliminator

イントロはかっこいいけどそのあとちとダサいかも~?って聴いてたら0:32~0:51で降下と上昇を繰り返す不穏なベースで大好きになった。チョロい。libidOの前半とかで鳴ってるやつ。たぶん。

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SZ10THのコンサートのときも何これ?!なんで!?!ってなる邪悪なEDMかかってたけど「ザ・アリーナ」でもまた邪悪なEDMのコーナーあるかな?楽しみ🥰

9. Freak Your Body

誰にも共感してもらえないと思うけど個人的にはコミックソング枠。ダサめのガラガラGOのイントロから一瞬なにわ男子のジ・アンサーになってオッパガンナムスタイルする曲。ブンシャカラカでもいい。ブンシャカラカ懐かしい。

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制作陣調べたら作詞がバィバィDuバィ~see you again~とかプンププンプン書いた人らしくていちばんびっくりした。「長い救急車 ポリスはスーパーカー」(どういう意味?)からの「何が欲しいのか答えろよ 連れて行く頂上」の振り幅ったらない。

10. 休みの日くらい休ませて(岡崎体育

OTODAMAで聴かせてくれーー!!怒髪天、というか清水音泉っぽさがすごい(伝わってほしい)。

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1:38の聡ちゃん「ギ↑タァアア~?!」からのコミカルなギターがめっっっちゃ好きっていうか絶対どこかで聴いたことあるのに思い出せなくてむずむずする。iPhoneの着信音(かそれを模したマリンバ)がちょうどよくハマってるのも楽しいし、2:06~でたぶんわざと子どもっぽく歌ってる風磨くんの後ろで鳴ってるゲーム音楽みたいなのも大好き。

なによりケンティーの「子犬連れてきてェー!」聴けるだけでもう全部OK。岡崎体育のこと天才だと思ってるけどやっぱり天才だった。こないだ出したアルバムだとYesがいちばん好きです。

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11. LET'S MUSIC

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シングル曲だったのに馴染みすぎにもほどがあるってぐらいアルバムに馴染んでてラブ。発売がRIGHT NEXT TO YOUのバズ直後だったのもあってかあまり目立たないで終わってたけど『ザ・ハイライト』にいるLET'S MUSICほとんど主役でアルバムって最高!ってなる。ロックダンスのかっこよくてコミカルで楽しいノリもめっちゃ似合ってる。

あとドラマの主題歌だったはずが、ドラマの内容ガン無視でセクゾの音楽に対するスタンスを表明する曲になってるとこも地味に好き。ジャンルは違うけどスタンス表明の感じはSHINeeのMarried to the Musicに通ずるとこあるなーと思ったり。(シャイニとセクゾが好きな人)

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12. Summer Ride(STUTS&butaji)

めーっちゃチルでアルバム通して聴くと緩急がすごい。イントロでコポコポ言ってる炭酸の泡がはじけるみたいな音で、なぜか水の中から空を見上げてるような不思議な感覚になる。夕方と夜の間っぽくもあるし、夜と朝の間くらいの感じもする。

2:26からのブリッジのたゆたうような音に、なぜかメトロ(京都にあるライブハウス)でオールしたあとにしぱしぱする目で眺める朝焼けの鴨川を思い出したりした。STUTSの名前をはじめて見たのがその頃だったからか、当時の情景が呼び起されて胸がちょっとぎゅうとした。

探したら写真も出てきた。懐かしい。最後にじわっと入るシンセっぽい音も好きだった。

13. Dream(iri)

同じ切ないでもきらきらした透明感を含んだSummer Rideとは対照的にも感じる、リアルな質量をはらんでて、ざらざらした手ざわりのするアンニュイな曲。iriちゃん特有のねじれるメロディラインを乗りこなす勝利くんと聡ちゃんの声がいい。

「中島のDメロから菊池の落ちサビ」がどこなのか全然分からないから誰か教えてほしい。

14. Ringa Ring Ring

Dreamの物憂げな雰囲気からのこのイントロはもう大好き。ほんとうに大好き。わたしが思う「シティポップ」にいちばん近い*3、ふくふくしていて、夏っぽいけど涼やかできらきらした感じ。全体的にテンポはゆったりしてるけど、マラカスが小刻みにリズムを刻んでいてどこか軽快な印象を受けるのもすごい好き。サビの前のピッコロ(たぶん)も大好きだし、サビの途中から入って来るピッコロも大好き。好きしか言ってない。ラブリーな曲なんだよほんとに。

冒頭の聡ちゃんパート「any time I think about you」「そわそわしてる」のパートも狂おしいくらい好きだし、2番の「想いを乗せるよmake a wish」も、最後の方の「もしかしたら言えるかも もしもしの続きを」もすごく好き。メロディへの歌詞の乗り方が気持ちよくて、聴こうとしてなくても歌詞が耳に入って来ちゃう。

ピッコロの音だったりシャランラ言うウィンドチャイムのおかげか質感はさらっと軽くて爽やかだけど、なんとなく切なくてちょっぴりさみしくもある不思議な感覚になる。夏の終わりっぽさもちょっとあるのかな。この曲でアルバムが終わるの、完璧だよセクシーゾーン。

 

本作の前半では曲ごとに表情を切り替えながら、時代・場所・音楽性に対して、どちらか片方に注力するのではなく、どちらも完璧に乗りこなしていく。この流れは壮大なバラードの“Story”によってクライマックスを迎えるが、本作が7曲目の本楽曲でいったん区切りとなっているのは、カセットテープ文化へのオマージュだろうか。

最初に貼った、ちゃんとしたライターさんがちゃんとした日本語で書いたレビュー記事。カセットテープの発想は全然なかったからここを読んでハッとした。そう思って聴くとB面はオールでライブ見に行ったときみたいにも思えて来る。タイプの違うブチ上がりライブを2組見て、Summer Rideでチルして朝焼け見てちょっぴり感傷的になって、出勤する人たちに交じって電車で現実に帰り、気づけばすっかり爽やかな朝だけどほんの少しさみしさが残ってる、みたいな。歌詞ガン無視の超解釈だけどみんなの『ザ・ハイライト』だからそんなのがあってもいい、と思うことにする。

というわけで感想おわり!シャイニ好きな人はたぶんみんなセクゾ好き!コンテンポラリーバンドと時代を創ろうSexy Zoneはだいたい一緒だし、内弁慶な感じもだいたい一緒。

全然関係ないけど同じ6月1日に発売になったどんぐりずのEPも超いいからついでに。セクシーゾーンのドラムンベースなポップスも待ってます。(ROCK THA TOWNでも歌ってたし?)

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おわり

*1:アルバムのリリースが発表されたときは、なんとなくこの3つぐらいに分かれるのかなーと思ってた。①もともと日本に存在してた概念としての「シティポップ」。②VaporwaveからFutureFunkを経由して日本国外から再評価された楽曲群やそれに付随するビジュアルイメージ。(ケンティーが言ってるやつ)③Suchmosに代表される(と私が思ってる)2010年代からの国内の若手アーティストが作る音楽の総称。いわゆるネオシティポップ。(たぶん風磨くんが言ってるやつ)

*2:K-POPの方で、2016年くらいからレトロがじわーっと流行ってたのもあったけど、2018~2019年くらいに「(日本の)シティポップ」の波っぽいのがあり、2022年現在はひとつの様式として定着した感があるため。

*3:アルバムのジャケットもTHE FINESTのMVもビジュアル的には「シティポップ」の文脈に則ってる割に(人選も)、音楽的に「いかにもそれっぽい曲」はあんまりない…?と思ってたので、ちゃんと(?)入ってるんだ!という妙な安心感があった。